自分を大切にする

アダルトチルドレンとは?どの家庭でも起こりうる「生きづらさ」の種

 

アダルトチルドレンという言葉を知っていますか?

アダルトチルドレンとは、機能不全家族で育った人のことをいいます。

機能不全家族とは
親が何らかの依存症であったり、虐待や暴力があったりする場合だけでなく、
一見普通の家族に見えても、子どもが安心して過ごせない場合も当てはまります。

アダルトチルドレンは
人の顔色を伺いすぎたり、人間関係がうまく築けなかったり、
過度に自己犠牲的であったり、自己肯定感が低かったりして
生きづらさを抱えているという特徴があります。

【自己肯定感とは?】自己肯定感を高めるのに大切なたった1つのこと自己肯定感を高めたい そんなふうに思ったことがある方も多いのではないでしょうか。 私自身、自己肯定感の低さに悩んだことがあります...

生きづらさが生まれる背景

子どもが生きていくためには、親や養育者に育ててもらう必要があります。
そのため、親や養育者の様子をよく観察し、順応しようとするのです。

愛されるため、生きるために、親の機嫌を伺い
親の意に添うように生きてきて、それ以外の自分を否定してしまいがち。

「こんな自分はいいけど、こんな自分はダメだ」という思いが強くなり
無理に親や人の期待に応えようとしたり、
できない自分を否定して完璧主義に陥ったりして
自分を追い詰めてしまうのです。

無意識に「〇〇な自分でないと愛されてない」と思っており
ありのままの自分を否定していたり、自分の本音や思いを抑圧しているので、
それが生きづらさにつながっていきます。

 

マキ
マキ
実は私もアダルトチルドレンです

幼少期の心の傷が今も影響している

私自身、「私は普通の家庭で育ったから、特に大きな問題はない」と
ずっと思っていました。

自分の育った家庭しか知らないということもあって、
特におかしいとも思わなかったし
どこも似たようなものだろうと思っていたのです。

しかし、心理学を深く学ぶうちに、幼少期のいろいろな体験が
今の自分に大きな影響を与えていることがわかりました。

私に起きたことと、その影響についてお話しします。

幼少期の両親の不仲

幼少期のことを思い出して、真っ先に出てくるのが、両親のケンカです。

本人たちにとっては些細なことだったのかもしれませんが
しょっちゅう両親のケンカを目の当たりにし、不安な思いをしていました。

手が出る、物が飛ぶという、少しハードなケンカだったので
小さい私にとっては恐怖体験でしかありませんでした。

私の中には、父は怖くて、母を痛めつける存在という思い込みができあがり
それがそのまま男性へのイメージへとつながったのです。

この経験から、人の機嫌を過度に気にするようになり、
人の顔色を伺うようになりました。

また、不機嫌な人を見ると「自分が何かしたのかな?自分のせいかな?
と思うようにもなりました。

ありがたいことに、男性に暴力を振われることはありませんでしたが
男性に対して心からは信頼できないと思うようになり、
どうせいつかは傷つけられるという思い込みが作られ
その通りの現実を何度も体験したのです。

共働きだったため祖母に育てられた

両親がどちらも正社員としてフルタイムで働いていたので
幼少期に一番長い時間を過ごしたのは祖母でした。

祖母は本当に大切に育ててくれ、愛情をかけてくれましたが、
いい子じゃないと愛されない、期待に応えなくてはいけない
という思い込みが作られました。

どこかで、「私がいい子でいなければ母が何か言われる」と
思っていたのかもしれません。

大人になってからも、人の期待に応えられない自分はダメだ
自分を追い込むようになり、自分で自分を苦しめることも多々ありました。

愛ある「いじり」が自信のなさに

私は父の兄弟にとって初の姪だったので、遊んでもらったり、
いろいろなところに連れていってもらったりと本当に可愛がってもらいました。

その中で、愛あるいじりのつもりだったのでしょうが
「チビ、デブ、ブス」と叔父にからかわれていたのです。

それを素直に受け取ってしまい、「私は可愛くないんだ」と思い込み、
自信のなさへとつながりました。

成績の良し悪しで母親の態度が変わる

これは中学以降のことですが、
成績が悪いと母親の機嫌が悪くなっていました。

面談が近い時期に成績が下がったときには
親に恥をかかせるためにわざと成績を下げたんじゃないか
とも言われ、
このときはさすがに親友に聞いてもらいながら泣いてしまったほどです。

ここから、「できる自分はいいけど、できない自分は嫌われる」という
思い込みが作られ、できない自分を否定し、
頭の中で自分にダメ出しをするようになりました。

親を悪者にしても解決しない

いかがでしたでしょうか?
もしかしたら、似たような経験をしてきたという方も
いらっしゃるかもしれませんね。

実は、多くの親が
「〇〇なあなたはいいけど、□□なあなたはダメ」という
条件付きの愛によって子育てをしていることが多いので、
ほとんどの人がアダルトチルドレンといえるのかもしれません。

ここで、大切なことをお伝えしたいと思います。

それは、あなたの親が悪いわけではないということです。

親もまた、その親から同じような育てられ方をして、心が不安定だったのです。
その子育てしか知らず、それを繰り返してしまっただけかもしれません。

毒親などといって親を悪者にするのは簡単ですが
それではあなたはずっと被害者の意識のままになってしまいます。

また、逆に
「育ててもらったのだから悪く思ってはいけない」と
自分の本心に蓋をすることもお勧めしません。

傷ついた心から目を背けていては、
生きづらさを解消することが難しくなってしまうからです。

もらえなかった愛情を自分が自分に与えよう

では、どうすればいいのでしょうか。

ひとつには、子どもの頃のつらかった思いに共感することです。
具体的には、そのときの自分に
「つらかったよね。苦しかったよね。よくがんばってきたね。
よく乗り越えてきたね」と声をかけてあげること。

そしてもうひとつは、もらえなかった愛情を、自分が自分に与えてあげること。
つまり、条件付きの愛ではなく、無条件の愛を自分に与えることです。

できる自分もできない自分も、
がんばれたときもがんばれなかったときも
「毎日よくやってるね」と認めてあげて、優しく接してあげること。

そうやって、毎日少しずつ、自分を受け入れ、認め、
自分で自分を満たしていきましょう。

心が不安定な親から育てられ、心が不安定な大人となり、
また同じような子育てを繰り返していくという負の連鎖は
もう終わりにしませんか?